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Webマーケティング入門 公開日:2023.09.06

サテライトサイトとは? メリットや作成時のポイント、注意点を紹介

Yahoo!広告

集客施策の一環として、本サイトとは別にサテライトサイトを作る方法があります。サテライトサイトを運用すると、本サイトだけでは集客できなかった層へのアプローチになったり、うまく運用できればSEOの効果も期待できます。しかし、安易に取り組むと、かえって成果が下がるリスクもあるため注意が必要です。

本記事では、サテライトサイトを作ることでどのようなメリットが生まれるのか、Googleペナルティを受けるリスク、作成時のポイント、注意点などを解説します。

サテライトサイトとは?どのような意味?

サテライトサイトとは、メインサイトへのSEO対策や新たな顧客獲得などを目的に、本サイトとは別に運営するサイトのことです。英語の「satellite」には「衛星」という意味があり、本サイト周辺の衛星のようなサイトであることから、サテライトサイトと呼ばれます。

例えば、証券会社がホームページとは別に、投資についての記事を掲載するWebメディアを運営する事例があります。このケースでは、サテライトページがWebメディアで、本サイトがホームページです。

サテライトサイトの構築は、かつては本サイトへのSEO対策(外部対策)として効果的でした。しかし、現在はGoogleからのペナルティを受けやすくなっており、単にサテライトサイトを作ればよい状況ではなくなっています。この注意点は、のちほど詳しく説明します。

サテライトサイトを作るメリット

メリット画像

サテライトサイトを活用すると、被リンクを増やし、新規顧客を獲得できるようになります。上記のサテライトサイトのメリットについて詳しくみていきましょう。

本サイトへの被リンクになる

被リンクイメージ

サテライトサイトを運用してコンテンツ内に本サイトへのリンクを貼ると、本サイトは「被リンク」を獲得したことになります。コンテンツ数やサテライトサイト数を増やすほど、被リンクを増やすことが可能です。

被リンクは、リンク先のWebサイトを評価する指標となっています。被リンクはリンク元からの評価を受けた証であり、ひいては検索ユーザーにとって有益なサイトだとGoogleが推測できるためです。そのため、本サイトのページ評価が上がり、検索順位が向上することが期待できます。

ただし、SEOを目的として貼ったサテライトサイトからの被リンクはいわば自作自演です。そういった施策だけで順位が上がったサイトばかりになってしまうと検索の質が低下するため、Googleは順位を決める仕組みをアップデートし、順位操作を目的に運用されたサイトを見抜く精度を高めて、そういったリンクが評価の対象に入らないようにしています。
こうした背景から、被リンクを増やすという目的だけでサテライトサイトを運用することはおすすめできません。

新たなユーザーを獲得できる

サテライトサイトを構築すると、本サイトでは接点を持てない顧客を獲得できるようになります。理由は以下の3つです。

  • オウンドメディア運営により、本サイトと違うターゲットにアプローチできるため
  • 別サービスのサテライトサイトを運営することで、本サイトのサービスを細分化、特化できるため
  • リターゲティングリストを獲得し、Web広告の成果を高められるため
  • オウンドメディア

    オウンドメディアとは、企業が所有(Owned)するWebメディアです。自社の見込み客に有益な情報を発信してサイトへの流入を増やし、そこから本サイトに誘導して顧客獲得につなげる「コンテンツマーケティング」と呼ばれる手法です。

    オウンドメディアは潜在層にアプローチしやすいのが特徴です。例えば、Web広告制作会社のオウンドメディアなら、Web広告の作り方や運用方法などを解説した記事を作るのが一般的です。オウンドメディアにより、今のところ広告制作を依頼しようと考えていないが、将来依頼するかもしれない潜在層にアプローチできます。

    一般的にオウンドメディアと本サイトは以下のように区別して運営されます。

    オウンドメディア(サテライトサイト) 本サイト
    主なターゲット層 潜在層(情報収集している人) 顕在層(購入、サービス利用を検討している人)
    目的 本サイトへの誘導 コンバージョン
    コンテンツ ユーザーに有益なコンテンツ(知識、ハウツー、商品比較など) 商品情報、カタログ、購入・申し込みフォーム、会社情報など

    このように、オウンドメディアにより本サイトでは接点を持ちにくいユーザーにアプローチすることで、新規顧客獲得を目指せます。

    本体サイトとは別のサービスを紹介するサイト

    本サイトとは別のサービスを扱うサテライトサイトを運営すると、新規獲得率が高まったり、新たな顧客に接触しやすくなったりします。この方法は、商材の幅が広い企業や、ユーザー層がはっきり区別できるケースに向いています。

    例えば、求人情報サービスを提供する企業のなかには、就活生向けサイト、転職者向けサイト、派遣求人サイトなどのように、複数のサテライトサイトを運営しているところがあります。

    特定の分野に特化したサテライトサイトを設けると、ユーザーはサービスを利用しやすくなります。本サイトに複数のカテゴリを盛り込むと、ユーザーは目的のページをみつけにくくなりますが、サテライトサイトならサイト構造をシンプルにできます。また、ターゲットのニーズに合った情報や機能に絞りやすくなります。

    リターゲティングリストの獲得

    サテライトサイトがあることのメリットは、リターゲティングリストを増やせることです。リターゲティングリストとは、自社サイトの訪問履歴があるユーザーのリストで、リターゲティング広告に使います。

    リターゲティング広告は、自社サイトに訪れたユーザーにだけ広告を配信するため、顧客獲得率が高いというメリットがあります。しかし、リターゲティングリストは十分な数になるまで時間がかかるのが難点です。

    そこで、サテライトサイトを運用してリストを増やします。本サイト訪問者だけでなく、関連情報に興味を持つサテライトサイト訪問者もリストに加えることで、効率的にリターゲティングリストを増やして新規顧客獲得につなげられます。

    リターゲティング広告については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

    リターゲティング広告とは? 仕組みや活用法、今後の動向について解説」を読む

    サテライトサイトは、Googleペナルティの対象となるか??

    サテライトサイトには多くのメリットがありますが、デメリットもあります。SEO対策で特に注意しておきたいのは、サテライトサイトが質の低いサイトやスパムサイトだとGoogleに認識されてしまうリスクがあることです。

    Googleからペナルティを受けると、検索順位が下がり、最悪の場合にはインデックス(Googleのデータベース)から除外されて検索結果に表示されなくなってしまいます。この影響はサテライトサイトのみならず、リンク先の本サイトにも及んでしまいます。

    それでは、どのようなサテライトサイトが低品質とみなされるのか、具体的にみていきましょう。

    ユーザーにとって質が悪いサイト

    Googleは以下の4つを質の低いコンテンツとして評価します。

    • ツールやプログラムで自動生成されたコンテンツ
    • 内容の薄いアフィリエイトページ(カタログや商品紹介ページなどから内容をコピーしただけのページなど)
    • 情報量が乏しいページ(他ページに誘導するだけのページ、ユーザーにとって有益性が少ないページなど)
    • コンテンツ内容の重複(無断複製、無断引用したページなど)

    これらは、不正なSEOや明らかな手抜きをしようとしない限り、作成してしまう可能性は低いでしょう。ペナルティを受けるリスクを背負ってまで質の低いコンテンツを作るよりも、Web広告で本サイトへ集客したほうが成果を出せます

    更新頻度が高くないサイト

    更新頻度が高くないサイトとは、ページを新規作成・編集してから期間が空いてしまっているサイトです。例えば、法律を解説する記事コンテンツが、法改正に対応して更新していないのは問題といえます。これは、ユーザーの有益性を損なっているとして、Googleから評価を下げられてしまう可能性があります

    ただし、更新頻度が低くても問題ないWebページもあります。例えば、化学反応を解説するコンテンツであれば、更新しなくても問題は出ないでしょう。実際、Googleは「検索クエリにふさわしい鮮度」を評価するフレッシュネスシステムを採用しているため、多くの場合、ページ内容によって適切に評価されます。

    自演リンクや不自然なリンク

    サテライトサイトに設置するリンクについても注意が必要です。Googleでは以下のようなリンクを、リンクスパムとしてペナルティ対象にしています。

    • 過剰な相互リンク(本サイトとサテライトサイトで相互に大量にリンクし合うなど)
    • サテライトサイトの口コミ、コメント欄などに、検索順位を操作する目的で書き込まれた本サイトへのリンク
    • 隠しリンク(画像背後のリンクや、背景色と同じ文字色で書かれたリンクなど)

    このほか、他サイト運営者に対価を与えて本サイトへのリンクを貼ってもらう行為もペナルティ対象です。いずれにしても、リンクスパムだとみなされると、サテライトサイトが低品質なサイトと判定され、リンク先の本サイトも評価が下がる可能性があります。

    オリジナリティがないサイト

    オリジナリティがないサイトとは、他サイトのコンテンツと違う独自の内容や切り口がないサイトのことです。Googleは検索ユーザーの利便性を重視しているため、類似サイトが検索結果に重複しないようにしています。類似ページとみなされ、有益性が低いと判断されると、検索結果から除去されます。

    よくある失敗は、本サイトと関連するテーマのコンテンツを作成した際に、類似コンテンツができてしまうケースです。また、本サイトの内容に引用部分が多すぎると、重複判定を受けるケースもあります。このほか、上位サイトを見本にしすぎると、内容が似通ってしまうかもしれません。

    サテライトサイト作成時のポイント

    ここではサテライトサイトを作る際に重要な3つのポイントを解説します。

    独自ドメインを取得する

    一般的にサテライトサイトは広告感を出さないためや、メディアとしての中立性を保つために、本サイトとのつながりを積極的に公開しないケースがあり、別ドメインがおすすめです
    なお、別ドメインを取得すると費用がかかるという理由で、無料ブログを利用する場合もあります。無料ブログは共有ドメインのため、検索エンジンから信頼できるサイトと評価を受けやすいメリットがあります。一方で、無料のため、運営費に使われる広告が出てしまったり、サービスの継続性がそのブログサービスを提供している会社に依存してしまい、一企業が運営するサイトとしてはリスクが大きいです。したがって、可能な限り独自ドメインが好ましいです。

    本体サイトと関連のあるテーマを扱うサイトにする

    サテライトサイトのテーマは、原則として本サイトと関連のある内容にします。仮にコーヒー専門店のオウンドメディアなら、コーヒーの入れ方やコーヒーメーカーのおすすめ情報など、ターゲット層が重なるコンテンツを探しましょう。

    本サイトと無関係なテーマでサイトを運営しても、本サイトへの誘導にはつながらないでしょう。あまりに無関係でSEOのためだけに作られた要素が強すぎると、最悪の場合不自然なリンクとみなされペナルティを受けるリスクがあります。

    アンカーリンクを設置する

    アンカーリンクとは、ページ内外に移動できるリンクです。具体的には、本サイトへのリンク、サイト内の関連記事ページへのリンク、ページ内の特定の場所にジャンプさせるリンクとして設定します。

    関連のあるページ同士をリンクでしっかりつなげば、検索経由で来てくれた人がサイトを回遊してくれて、本サイトに遷移してくれる可能性が高まります。本サイトへのリンクは、SEOの効果も期待できます。

    さらに、本サイトへのアンカーリンクを設置する際は、リンク先の内容を表すアンカーテキストにもこだわりましょう。リンク先の内容を理解できる簡潔なテキストにすることで、サイトに訪れた人がリンクをクリックするモチベーションにつながります。逆に逆に「こちらへ」「関連記事」などあいまいなテキストはクリックするメリットを見いだせず、クリックしてもらいにくくなるかもしれません。

    サイト内でリンクをつなげることで、訪れた人がサイト内を回遊しやすくなります。さらに、本サイトへの導線を豊富に用意すると、訪れた人が本サイトに移動しやすくなります。

    「こちら」という表現だけではクリックのモチベーションが上がりません。リンクを魅力的にするためには、リンク先のページを的確に表す文言を使ったり、クリックしたくなるような魅力的な文言を採用したりすることが重要です。訪れる価値やメリットを伝えることで、ユーザーが興味を持ち、リンクをクリックしてくれる可能性が高まります。

    まとめ

    サテライトサイトは、本サイトだけでは届かなかったユーザーにもアプローチできるため、有効です。ただし、2つのサイトを運営するため、労力が倍かかります。また、SEOのためだけに作るサイトはペナルティのリスクもあるので、本当に必要かどうか、定期的な運用ができるかなどをよく考えて作成しましょう。運用においては、どちらのサイトも十分な注意を払い、おろそかにしないようにしましょう。

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