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Webマーケティング入門 公開日:2022.08.25

D2Cとは? Web広告の活用方法や従来の広告との違い、メリット・デメリットも解説

Yahoo!広告

近年注目されているビジネスモデルの一つに、「D2C」があります。「B2BやB2Cは聞いたことがあるけれど、D2Cについてはよく知らない」という人もいるのではないでしょうか。D2Cは仲介業者を挟まず、消費者に直接商品を販売する方法です。

本記事では、D2Cの概要や従来の広告との違い、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。D2Cで活用できるWeb広告も紹介しているので、D2Cの導入を検討している人もぜひ参考にしてください。

D2Cとは?

従来のビジネスモデルとD2Cの比較

D2Cは「Direct to Consumer」の略で、自社で企画・製造した商品を直接消費者に向けて販売するビジネスモデルです。製造者と消費者の間に代理店や小売店、卸売業者などの仲介を挟まず、直接取り引きをおこないます。D2Cは2000年代後半からアメリカで取り入れられはじめ、近年では日本でも注目を集めています。

B2Cとの違い

D2Cとよく混同される用語に、B2Cがあります。B2Cは「Business to Consumer」の略で、企業と消費者の取り引き全般を指す言葉です。一見D2Cと同じ意味のようにも思えますが、B2Cは製造者と消費者の間に仲介業者が入ったり、製造者以外が消費者と取り引きしたりするケースも含みます。

例えば、消費者向けの商品を製造する企業はB2Cに該当しますが、販売に流通業者や小売店が入っている場合も多く、その場合はD2Cとはいえません。その他、多数のショップが出店するオンラインショッピングモールは消費者と取り引きしていますが製造者ではないため、これもB2CではありますがD2Cではありません。

このように、B2CはD2Cよりも広い意味で使われる言葉です。消費者向けのビジネスをおこなうB2C企業のなかで、製造した商品を直接消費者に販売しているケースをD2Cといいます。

ECとの違い

ECも、D2Cと間違われやすい用語です。ECは「Electric Commerce」の略でインターネット上での商品の取り引きを指し、電子商取引ともいわれます。オンラインで買いものができるサイトを、「ECサイト」と呼ぶこともあります。

ECは、D2Cで消費者に商品を販売するための手段の一つです。小売店やオンラインショッピングモールなどを利用せず、自社でECサイトを立ち上げて販売するケースなどが挙げられます。

D2C時代と従来の広告の違い

D2Cはさまざまな業界で取り入れられており、広告業界も例外ではありません。ここでは、D2C時代と従来の広告の違いを紹介します。

出稿先が幅広い

従来の広告は、テレビCMや新聞広告など出稿先の種類が限られていました。一方D2C時代の広告は、従来広告の出稿先に加えて各種SNSなどにも出稿する企業が多く、出稿先が幅広くなっているのが特徴です

一人ひとりに合った広告の表示

D2C時代の広告は、一人ひとりに合った内容の広告を採用しているのも特徴の一つです。従来の広告は幅広いユーザーに同じ内容を訴求するマス向け広告が主流でしたが、近年ではデータを活用してそれぞれのニーズや好みに合った個人向け広告に変化しています

一方向から双方向のやりとりに変化

従来のテレビCMや新聞広告といったマス広告は、一方向に情報を届ける手法です。一方、SNSなどを活用するD2C時代の広告は、企業と消費者が双方向にコミュニケーションをとりながら広告を掲載できます。このように情報のやりとりの仕方も、従来とD2C時代で大きく異なります。

SNSからの流入

D2C時代の広告は、流入経路が多様化し、ターゲットに合わせた媒体を選択する必要があります。なかでもSNSを活用する企業も増え、SNSから自社ブランドサイトへの流入が多くなったのも特徴の一つです。従来は自社サイトへの流入は検索エンジンが中心だったため、この点にも違いがあります。

D2Cのメリット

ここでは、D2Cのメリットについて詳しくみていきましょう。

流通コストを削減できる

D2Cの代表的なメリットとして、中間に業者を挟まないので流通コストを削減できる点が挙げられます。販売のために小売店やオンラインショッピングモールなどを利用すると、毎月の登録料や販売手数料などを支払わなくてはなりません。一方、自社から直接消費者へ商品を販売すれば、これらの費用が抑えられます。

同じ値段で商品を売る場合、手数料などがかからないD2Cのほうが収益性が高くなります。流通コストを削減できる分、販売価格の引き下げが可能となり、より多くの消費者に自社商品を選んでもらえる可能性が高まるのもメリットです。

消費者との関係構築がスムーズになる

D2CはSNSなどで消費者と双方向にやりとりできる機会が増えるため、消費者との関係を構築しやすくなるのもメリットの一つです。従来よりも企業と消費者の距離が近くなり、自社や商品に対する顧客のファン化がスムーズになります。

「もっとこういう機能がほしい」「この商品のここが好き」など、消費者の生の声も集めやすくなるので、新しい商品の開発や既存商品の改善、自社のアピールポイントの明確化などにも役立ちます。また、消費者に「自分の意見が商品に反映されている」と感じてもらえれば、より良好な関係が築けるでしょう。

顧客データの収集ができる

自社が運営するECサイト(自社EC)で直接商品を販売すると、顧客データの収集や蓄積が可能です。オンラインショッピングモール(ECモール)を利用する場合、顧客データなどはショッピングモール側が管理するため、自社ですべてのデータを自由に活用するのは困難です。

一方、自社ECサイトで収集したデータは、当然ながら自社が自由に管理・分析できます。ユーザー属性や購買行動の詳細なデータは効果的なマーケティング施策の検討に役立つため、自社で顧客データを管理できるのは大きなメリットです

また、先ほど紹介した消費者との良好な関係構築にも関連しますが、アンケートやSNSのコメントで顧客から感想や意見のデータも収集できるので、商品の改善などにも顧客データが活かせます。

D2Cのデメリット

D2Cにはメリットだけでなくデメリットもあります。ここでは、D2Cのデメリットを紹介します。

顧客の定着まではコストがかかる

D2Cは自社で販売のためのプラットフォームを構築する必要があり、顧客の定着やビジネスが安定するまでコストをかけなければなりません。自社ECサイトを立ち上げて消費者が購入しやすい環境の整備および維持にはそれなりの費用が発生します。

大手のオンラインショッピングモールは手数料がかかるものの、すでに完成された利用者の多い環境にすぐ出品でき、販売プラットフォームの構築や管理に関しては手間やコストを軽減できます。

D2Cは流通コストを抑えられる点をメリットとして紹介しましたが、自社の販売プラットフォームで安定した売上を出せるようになるまではコストをかけなければなりません

ビジネスが安定するまでには時間がかかる

小売店やオンラインショッピングモールを介さずに、自社から直接商品を購入してもらうためには、まず消費者に自社を認知してもらう必要があります。認知度向上や顧客のファン化には時間がかかるため、ビジネスが安定するまで中長期的な施策が必要になる点にも注意が必要です

すでに一定の認知度や顧客を獲得している場合は、短期間でもD2Cで売上を伸ばせるかもしれません。しかし、まだあまり認知度が高くない商品や新規事業などの場合は、売上が軌道に乗るまで時間がかかることを考慮しておきましょう。

D2Cに広告を活用する方法

最後に、D2Cに広告を活用する方法を紹介します。

リスティング広告の活用

リスティング広告は、検索エンジンの上部や下部に掲載される広告です。ユーザーが検索したキーワードと関連する広告が掲載されるため、自社商品に関連するキーワードで検索したユーザーに向けてアプローチできます

ニーズや悩みなど、自社商品のターゲット層が検索しそうなキーワードを設定しておけば興味関心が高まっているユーザーに広告を届けられ、認知度向上や集客に効果的です。

リスティング広告について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

リスティング広告とは? 初心者でもわかる仕組みや費用、運用方法を解説」を読む

ディスプレイ広告の活用

ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリなどに用意された広告枠に掲載される広告です。ディスプレイ広告は画像や動画を活用できるため、ユーザーに視覚的にアプローチできるのがメリットです。テキストだけの広告よりも、自社商品の特徴やブランドの世界観などが伝わりやすくなります。

ディスプレイ広告について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

ディスプレイ広告とは? リスティング広告との違いと出稿方法」を読む

リターゲティング広告の活用

リターゲティング広告は、自社サイトに訪問履歴のあるユーザーに向けて掲載する広告です。自社サイトを訪れたことがあるユーザーは商品に興味がある可能性が高く、再度自社サイトへ誘導できれば顧客獲得につながりやすいのが特徴です

リターゲティング広告について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

リターゲティング広告の費用はどのくらい? 相場について解説」を読む

SNS広告の活用

SNS広告は、その名のとおりSNSに掲載する広告です。タイムライン上の一つの投稿の形で広告を掲載できるのが特徴で、ユーザーに見てもらえる可能性が高いのがメリットです。SNSのフォロワー獲得も目指せるので、認知度アップや顧客のファン化にも効果があります。

SNS広告について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

リスティング広告とSNS広告の違いとは? 組み合わせた使い方も紹介」を読む

D2Cで顧客のファン化を目指して売上を伸ばそう

D2Cは製造者が消費者に直接商品を販売するビジネスモデルで、日本でもD2Cを取り入れて成功している企業があります。仲介業者を挟まないため流通コストを削減でき、消費者との距離が近いので顧客のファン化も目指せます。

顧客が定着してビジネスが安定するまでに時間はかかりますが、売上が軌道に乗れば高い収益性が期待できるため、商品を製造している企業は導入してみてはいかがでしょうか。D2CにはWeb広告の活用も効果的なので、本記事で紹介したWeb広告の利用も併せて検討してみてください。

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